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創設者 出光佐三と出光コレクション

出光興産の創業者であり、出光美術館の創設者出光佐三(1885〜1981)は、明治38年(1905)以降、70余年の歳月をかけて、日本と中国の書画や陶磁器を中心とする一大コレクションを築き上げました。

19歳の学生時代、地元博多の古美術の売立で目にした仙の「指月布袋画賛」の親しみやすさに心ひかれたことからコレクションを始め、九州ゆかりの田能村竹田の文人画や古唐津、さらに肉筆浮世絵、中国諸窯の陶磁器などを集める一方、板谷波山ら近代作家との親交があつく、その代表作も蒐集しています。また、東洋絵画の精神に通ずるものを直感的に感じ、蒐集にいたったルオーとサム・フランシスの作品群の存在は異彩を放っています。気に入ったジャンルの作品を徹底して集めるのが佐三の蒐集パターンで、それらはいずれも国内外屈指の質・量を誇っています。

昭和41年(1966)には、「出光コレクションの宝であり、国民の宝でもある」これらの作品を公開するため、出光美術館を創設しました。

出光佐三によって蒐集されたコレクションには、佐三の美的傾向が強くあらわれています。それは、ひとことで言えばアンチアカデミズムの精神を湛えたものでした。仙しかり、浮世絵・文人画、古唐津しかりです。 佐三の志を継いだ出光美術館は佐三没後、むしろアカデミズムの系譜を主な蒐集の対象としました。平安時代の宮廷絵師による傑作「伴大納言絵巻」や狩野派、土佐派、やきもので言えば鍋島、京焼などが該当します。

出光コレクションは佐三の時代と出光美術館の時代を通じた100余年の間に、中国の陶磁史をたどることのできる陶磁器コレクションに加えて、日本の美術史を概観できるバランスの取れたコレクションへと発展してきたのです。